著者:飯田イチロオ
判型:四六判
頁数:224頁
発売日:2022年10月26日
植芝盛平は言った。合気道は負けない。
合気道が創始された大正~昭和初期、道場破りも珍しくなかった時代、何と相対しても負けないだけの技術が確かに必要だった。
その術理を徹底的に明らかにしていく。これは合気道の“臨床実験”である。
「合気道は、ストレート・パンチにも対応できる!」
開祖が考えた、実戦術理と「負けない理由」を解明する!!
CONTENTS
●第1章 植芝盛平翁は言った「合気道は負けない」
1 昭和の空手道家で剣道・柔道の武道家小西康裕祖師の目撃証言
2 合気道は爺しかできない
3 唐手と西洋のボクシングの攻防を研究する
4 開祖は言う「実戦では“当身七分、投げ三分”」
5 昭和初期、柔術の攻撃は握り拳であった
6 突く・蹴る・掴むの攻撃を同じ技で対処できるのが合気道
7 合気道の神髄は“体捌き・円転の理と技も楕円形”
●第2章 武道の殺傷技術 合気道における武術性
1 開祖が言う「松竹梅」の剣と心
2 開祖の言葉「梅が開いて松で治める」は合気道の奥義
3 脱力でリズムを産み、気勢を起こす
4 合気道が負けない…その理合
5 崩しの理合と方法
6 相手の反応を利用する崩し
7 相手の突きに、「三角法」と「円転の理」を用いる
8 45度円転し、全ての技は正中線に落とす
9 開祖は言う「転換と入身できればどんな構も破れる」
10 矢筈に三角法と円転の理を用いた技
11 相手との側面の間合い
12 触合いで勝敗を決める
13 合気道の代表的な基本技
14 開祖の正面打ちの打ち方はストレートパンチである
15 相手の素早い突きがスローに見える場面
16 「攻防の備えの“梅が開いて松で治める”の形―手を開いて天に置く(梅の手)役割
●第3章 相手の攻撃に負けない 体捌き・足捌き
1 45度円転する場合の足捌き(足遣い)
2 相手に直角に立つとっさの開身の形
3 開祖は言う「相手と一体になれば、絶え間なく技が産まれる」
4 三角法の入身
5 攻防の矢筈の形の強み
6 足の運用も〝陰に陰陽あり、陽に陰陽あり〟
7 45度の円転からの天地45度の崩し
8 光彩を放つ負けない合気道
9 「リズムで脱力」「意識の転換」「手と足の主と従」の巧思
10 一般的な転換の形
11 「梅が開いて松で治める」で小宇宙を形成
12 船漕ぎ運動で気力と脱力の陰陽
13 「振魂」で重心を下げて、正中軸を安定
14 意識を蹠低に置くと、膝を痛めない
15 腕力のある相手を投げる「理合」と「方法」
16 前方に落とす、後方に落とす、横方に落とす
●第4章 相手と争わない雲・川の流れ 自然の天理の合気道
1 相手の態勢の崩れの流れに沿うように
2 開祖は言う「合気道に攻撃はない」。その理合は!
3 合気道は、相手を振り回す力を必要としない
4 触れずに相手を投げる「虚」と「実」
5 生理的現象や体の仕組みを活かす
●第5章 対打撃での 一足入身
1 敵人の走り来りて打つときは一足よけてすぐに斬るべし(道歌)
2 白刃の下に活きる合気道の触合いの体捌き
3 突きの攻撃での入身
4 合気の先の先
●第6章 宇宙・自然界が手本とした 合気道の技の構造と体系
1 洪水は相手の力、土の堤防は「結び」「和合」「導く」
2 陰陽二神の運行に基づく
3 開祖の言葉「手と足は同じ」
4 掴まれて合気投げ、突かれて合気投げ
5 円転の転身
6 四方八方、全方位の技と防御
7 技に入る前の立ち位置と方向
8 突きの正面打ち一教にも〝陰に陰陽あり、陽に陰陽あり〟
9 打撃への腰投げ
10 一気に相手を制することを仕損じた場合
11 一気に相手を倒せなかった時の主な基本技と理合
●第7章 開祖が伝えようとした 技に触れた言葉
1 愛想の触れた数ある至言から三つを選ぶ
2 開身の剣を合気道の技に活かす
3 受身の剣を合気道の技に活かす
4 後ろ技と「梅が開いて松で治める」
飯田イチロオ(いいだ いちろお)
1945年、横浜生まれ。
1963年、合気道本部道場に入門。
日本大学芸術学部放送学科卒。
現在、合気道七段。
「成城合気道クラブ」を主宰するほか、歴史研究家としても活動している。
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