著者:中山隆嗣
判型:四六判
頁数:280頁
東洋医学×解剖学
─ 「理」を知り、使う!
「活殺自在」── 人の身体に対する作用を「活」と「殺」の両面から見て、同時にそれらの具体的な技術を追求しなければならない。「空手はなぜ腰から突くのか?」─ 現代格闘技とは一線を画す、知られざる徒手伝統武術の理。知れば強くなる合理的身体技法の秘訣を、東洋医学的視点(経絡・経穴等)と解剖学的視点(骨格・筋肉等)から解き明かす!
CONTENTS
●序章 「腰とハラ」が潜在能力を拓く
上半身と下半身の接合部 =「腰」
腰は姿勢の土台
腰は「ハラ」の意識が大切
「ハラ」の奥に身体活性のカギがある
東洋医学の身体観で腰を観る
ココロと「ハラ」の密接な関係
●第1章 「立ち方」は武術体の基礎
「立ち方3年」
武術体を作る「内八字立ち」
「内八字立ち」と腎経の意識
交感神経を刺激する立ち方
中心軸を保つ転身
丹田の浮沈
足の指で床を掴む
柔軟な足首から生まれる動き
膝の抜きで身体は自在に動く
数百キロの負荷に耐える膝
堅牢さ、迅速性、防御性
攻守に理想的な「正整立ち」
霜柱を踏む音を立てない
●第2章 「突き」に全身のパワーを乗せる
腕の筋力によらない突き
突きの命、肘の直進性
前腕の捻転と肘の構造
拳頭で感じて捻る
なぜ腰を起点にして突くのか?
肩の落としと脇の締め
小指を締めて固い正拳を作る
小指の締めは脇の締めに通じる
追い突きは身体の重さを使う
1拍子の攻防と強固な土台
緩急の差で出す「寸突き」
●第3章 「蹴り」を変える骨盤・腰椎の意識
開脚ができる=蹴りの名手、ではない
腰椎、骨盤、股関節の可動域とサポート力
上段蹴りを武術とスポーツの目で観る
支持脚への意識
下段が蹴れれば良い
足を手のように使う
腰の押し出し×身体の捻り×膝のスナップ
ハラによる脚の引き上げ
胃経・腎経を意識した脚の引き上げ
支持脚にも欠かせない腎経の意識
●第4章 「呼吸力」が技に命を吹き込む
呼吸で能力を最大限に引き出す
胸郭と横隔膜の動き
技と呼吸のシンクロ
隠れた力を出す身体
内臓をマッサージする腹式呼吸
骨盤まで意識した呼吸
緊張を解く呼吸
空手の呼吸音のイメージ
最大酸素摂取量を高める方法
気合いの質的変化
●第5章 「体捌き」は淀みなく美しく
年を経ても衰えない身体
「美しい」動きは強い
状態を感じ取る感性 ─〈視覚〉
状態を感じ取る感性 ─〈味覚〉
状態を感じ取る感性 ─〈聴覚〉
状態を感じ取る感性 ─〈触覚〉
極意言葉「一眼二足三胆四力」と体捌き
動きの要「丹田」と腰椎4~5番
頭の中で勝ち癖をつける
八方の動き、輪転・反転・転身、上下の動き
有意識で身に付け、無意識で使う
●第6章 「内臓力」で底力が出る
各臓器のつながりを断つ殺法
臓腑とココロの関係
「食」も武術に欠かせない
ハラの力には内臓力も関係
内臓力を強化する経絡の意識
武術の根本的な力となる食の流れ
パワーの源は「呼吸×食」
内臓力も正しい姿勢から生まれる
目や耳と内臓の関係
●第7章 「形(カタ)」に含む身体哲学
「形」か「型」か
形の初動作の意義
魂を入れる形稽古
技の緩急は一本の突きの中にもある
多様な動きで中心軸を保つ
形は「体」、組手は「用」
形に隠された意義 ─「四方拝」
形に隠された意義 ─「二十四歩」
●終章 「心法」に至る武術の身法
極意歌にみる「勝つ」心構え
日常生活そのものを稽古にする
活殺自在の境地に至る
矛盾の中にある武術
武術家の品格
●巻末資料
骨格(前面)
骨格(後面)
全身の骨格筋
肺経
大腸経
胃経
脾経
心経
小腸経
膀胱経
腎経
心包経
三焦経
胆経
肝経