“日本泳法”のススメ
伝承文化としての“オヨギ”が伝えるもの
著者:中森一郎
判型:四六判
頁数:256頁
生きのびるための知恵!
実用的水泳術!
◉鎧を着ていても泳ぎ進める!
◉水面で両手を自由に使える!
◉波や流れに負けない!
こんな目的をもって伝承されてきた“日本泳法”の技、知りたくないですか?
競泳用ではない、いわば自然環境での“護身術”として古来より伝承されてきた“日本泳法”。
シンクロでも使ってるアレ?
現代においてなお、役に立つ技術です。
CONTENTS
第1章 誰が“日本泳法”って呼んだのでしょうか?
1.“日本泳法”って何?
2.“日本泳法”って呼称の知名度は、半端ではないほど低い?
3.戦前からあった呼称“日本泳法”?
4.なぜ呼称「日本泳法」が生まれたのでしょう?
5.“日本泳法”は社会的用語なのだけれど…
第2章 改めて〝日本泳法〟って何?
1.関係者記述に見る〝日本泳法〟
2.組織が公認した「伝承泳法」の流派の総称が“日本泳法”!
3.日本泳法の流派はどこで生まれどこで伝えられているのか?
4.地域に伝承されるオヨギの文化
5.地域で認められたオヨギの文化の価値とは?
6.水辺の総合文化としてのオヨギの伝承技術
第3章 実用性が重視される〝日本泳法〟のオヨギとは何か?
1.“日本泳法”は実用的!
2.“日本泳法”に関するオヨギの特質
3.川の流れに対応したオヨギの事例
4.海原に対応したオヨギの事例
5.急流や荒れた波に対応したオヨギの事例
6.浅瀬に対応したオヨギの事例
7.移動中に留まるときや手を自由にすることに対応したオヨギの事例
8.疲れたときに対応したオヨギの事例
9.水面下の移動や動きに対応したオヨギの事例
10.身体を上げる必要があるときに対応したオヨギの事例
11.飛び込む必用に対応したオヨギの事例
12.戦さを想定したオヨギの事例
13.集団でのオヨギの事例
14.見せるためのオヨギの事例
15.溺者を助けるためのオヨギの事例
16.オヨギとしての操船法の事例
17.馬と水中を移動するためのオヨギの事例
18.経験の言葉としてのオヨギの事例
第4章 史的な知識と私見から覗いた〝オヨギ〟とは何か?
1.本能としてできない人間のオヨギ
2.遺伝子としてのオヨギ
3.世界史に見えるオヨギ
4.わが国の有史以前のオヨギ
5.わが国の有史以降と系譜としてのオヨギ
6.戦人として成功に繋がったオヨギ
7.武士の心がけと信長のオヨギ
8.〝水術〟となったオヨギ
9.水軍起源説に対する私見としてのオヨギ
10.徳川家康のオヨギ
11.徳川家康の子供たちと孫のオヨギ
12.三代将軍徳川家光が奨励したオヨギ
13.暴れん坊将軍第八代徳川吉宗のオヨギ
14.徳川幕府の将軍とオヨギ
15.陸戦を想定して下級武士に課されたオヨギ
16.〝水術〟流派の発生と促進となった藩校でのオヨギ
17.文武奨励から見た藩校〝水術〟のオヨギ
18.海防論の勃発で登場したオヨギ
19.〝水術〟が一般の認知となったオヨギ
20.海防警備の高まりから実践されたオヨギ
21.水戦を意識した水軍(海軍)としてのオヨギ
22.水軍研究と〝水術〟が一体化したオヨギ
23.幕府海防と植原正方の水軍研究が関わったオヨギ
24.国防意識から喚起された武士の戦闘意識とオヨギ
25.新政府の軍隊とオヨギ
26.廃藩と武士のオヨギ
27.隅田川で展開されたオヨギ
28.学校教育に採り入れられたオヨギ
29.全国組織を持つ団体と関わったオヨギ
30.競技として始動したオヨギ
31.教育機関を通じて全国に広まったオヨギ
32.「伝承泳法」の新しい動きとオヨギ
33.競技水泳の大会から消えた伝承泳法のオヨギ
34.「伝承泳法」と競技力の狭間でのオヨギ
35.伝承泳法の競技化とオヨギ
36.全国組織となった伝承泳法のオヨギ=日本游泳連盟(〝日本游法〟)
37.全国的「伝承泳法」の組織とオヨギ
38.伝承泳法の研究から史料・資料が蒐集されたオヨギ
39.新出流派〝神統流〟のオヨギ
40.実用性が再認識された伝承泳法のオヨギ
41.戦後組織が取り上げた「日本泳法」のオヨギ
42.各流派に関する知識・泳法を研鑽する勉強会のある〝日本泳法〟
43.保存・普及のために開催される全国大会としての〝日本泳法〟
44.長距離泳の競技会と〝日本泳法〟
45.文化財に指定された〝日本泳法〟
46.第18回オリンピック東京大会と〝日本泳法〟
47.映像化された〝日本泳法〟
48.地域発信による〝日本泳法〟研究会と大会
49.日本泳法委員会による〝日本泳法〟流派を集成した書籍
50.関西で競技化された〝日本泳法〟
51.外国の地で外国人が研鑽した〝日本泳法〟
第5章 〝日本泳法〟の伝統を私的思考から見る
1.〝日本泳法〟が求める安全性
2.〝日本泳法〟が持つ実用性
3.〝日本泳法〟が培ってきた文化性
4.〝日本泳法〟に含まれた地域性
5.〝日本泳法〟の本質に見える武道性
6.〝日本泳法〟の保存と普及
7.〝日本泳法〟の活かし方、楽しみ方
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中森一郎(なかもり かずお)
日本水泳史研究家。元大谷大学教員(体育学)。
観海流泅水術奥伝、同泅水会五段、京都踏水会二段、小池流泅道三段、同泅士号允可、日本水泳連盟水練証(小池流)、同練士(観海流)を授与。現在、四日市日本泳法同好会指導者、向井流東京上野門下連絡会顧問。
著書:『観海流の伝承とあゆみ』(共著 伊勢新聞社刊)、『上野徳太郎と向井流東京連絡会ー日本泳法向井流の伝承と関わってー』(監修・共著 文栄堂書店刊)、『岩倉流伝承 三百年の歩み』(共著 伊勢新聞社刊)