武学入門〈新装改訂版〉

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武術は身体を脳化する 〈新装改訂版〉



著者:日野晃
判型:四六判
頁数:296頁


元来日本には「外力に歯向かう」発想がなかった。
では、古の剣豪たちがとった方法とは?


「相手に対する気遣い」こそが日本武道!?、
身体を鋭敏に「脳化」させれば、達人技が可能に!?、
日本古来の防波堤は「対抗」しないものだった!?、
「不動心」は弱い心が作り出す!?、
剣豪たちが到達した境地「水月移写」とは!?、
今、必要なものは武道かもしれないと思わせる、究極の身体論にして人生論です!


CONTENTS

●第一章 「住なす」という日本の伝統武道
 手応えがない、衝突しない、空気のような初見宗家
 「技」ではないのです
 世界は「武道的考え方」を学んでいる
 「相手の力とのバランス」は机上の空論
 「往なす」という日本的バランスとは
 世界が学ぼうとしている日本伝統武道は、私達ですら学ぶのは難しいだからこそ「伝統武道」を学ばなければならない
 日本文化の中に「調和」の鍵がある
 学ぶべき日本伝統文化としての武道はあるのか?
 世界で展開されている「日本の伝統文化としての武道」武神館武道・大東流合気柔術六方会
 オイゲン・ヘリゲルに伝統武道を見た

●第二章 外国が学ぼうとしている日本伝統武道とは
 「水月移写」という身体状態(境地)
 柳生但馬守宗矩に見る「水月移写」
 伊藤一刀斎に見る「往なす」
 精神レベルの低い人間には「武道」を理解することが出来ない
 相手に対する気遣いこそが「日本の文化」であり、武道だ親和体道故井上鑑昭道主の言葉
 無住心剣・針谷夕雲から受け継がれた「往なす」──「相抜け」の道
 伝統武道は心身二元論では学べない

●第三章 「武」の名人の考え方とは
 対立しない日本文化
 基礎は緩める日本的工法
 日本の伝統文化としての武術のエッセンスは?
 「力とは直接対立しない」
 「受け入れる」という超自然観
 アメリカがやっと辿り着いた発想は日本文化そのものだ
 受け入れる、から往なすへ
 「受け入れる」は名人の技法の最大のヒントだ「斬らせなくちゃ駄目です」──初見宗家の「不動心」
 『不動心』は「弱い心」が作り出す
 『不動心』とは「全く雑念のない意識状態」だ
 スポーツや競技は根本的に武術とは違う
 スポーツは現代的非合理の象徴だ

●第四章 武術から肉体運動、そして「身体」そして武道へとつながった
 「武道」は知的運動=武術と武道の違い
 非日常的な運動=武術的な運動の探求
 トレーニング方法は目的が決定する
 武術的トレーニングはあるのか?
 「三戦」が教えてくれたもの
 筋肉は運動線により緊張し、その緩みが原動力にもなる
 ねじれと軸の関係の発見から自分自身への気付きへ
 「軸」は中国拳法にも使われていた 中国拳法の達人・蘇東成師が語る「螺旋法」
 バレエと武術の共通項
 イメージをコントロールできたとき、肉体は進化する
 イメージを汲み取れ、それが「見抜く」だ
 デュオ「相手と一体になる(意識の同調)」それこそが武術だ
 「ダンスのようでなくちゃいけません」 初見宗家は口を酸っぱくしておっしゃる
 相手と合わせることが出来るから「合気」が掛かる 大東流合気柔術六方会岡本正剛師の「合わせ」  「技術」のシステムはダンスが分かりやすい
 ブレイク・ダンスは最高の教材(肉体運動を関節から考える)
 二冊の本との出会い(肉体は「連動」する)

●第五章 「住なす」は身体の仕組みから
 「身体」は反応している
 「往なす」から見た、人体の仕組み
 骨格は「往なす」で出来ている
 身体運動を見切った伊藤昇という達人 「胴体の三つの動きの組み合わせにすぎない」伊藤式体操創始者・伊藤昇氏
 「身体そのものが持つ感性」の精巧さはコンピューターを超える
 達人の境地は「身体能力」の極みだ こころとからだ'99 主宰・竹内敏晴氏の「境地」
 「意識」が見える──竹内レッスンより
 弓術の達人・竹内敏晴
 身体能力は「身体」によって開発される

●第六章 「身体」の可能性=武術から武道へ
 全人格的能力を獲得する
 「身体を脳化する」身体そのものを「脳」として捉えれば
 「身体」という「脳」
 武術から「武道」へ──対立から往なすへ

●第七章 「住なす」ためには、まず「向かい合え!」
 自覚なくして「武」は語れない
 相手と正面から向かい合う
 「武道」という稽古 正面向かい合い-1
 自分自身の意識の変化は「場」そのものも変化させる 「往なす」をこともなげに体現した生徒が現れた
 正面から向かい合う-2
 「身体を脳化」する武道
 「人間という生物は、年齢とともに、するどく美しくなる」
 「武道」に取り組む──日野武道研究所が取り組んでいるもの
 ◆私にとって「武道」とは、武術としての身体の動きよりも、
  「生きていく上で何時でも応用のできる、大きな大きな原則を学ぶ場」である。
 ◆徐々に姿を現す「自分自身」
 ◆俳句と武道
こころを極める「武禅一の行」という修行
 ◆「武禅」を通して感じたこと
人は夢の中で生きているのか?
 ◆私にとって「武禅」とは
「武禅」レポートから
 ◆「武禅」は、裸の自分を見せてくれた
日野武道研究所は人間の「達人」を目指す


日野 晃(ひの あきら)
1948年大阪に生まれる。中学時代、独学で器械体操に取り組みオリンピックの強化選手に選ばれる。ジャズや武術も独学でマスター。現在、自ら主宰する日野武道研究所における武術研究で得た様々な要素を「武道塾/身体塾/人間塾」と分けて指導。企業の社員研修や講演、気功治療に飛び回っている。著書に「武術革命」(BABジャパン)「常識を打ち破れ、行動を起こせ!」「迷ったら原則に戻れ!」(共に日新報道社)などがある。


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